冬の残香は影を薄め、春の兆しが立ち上る季節となりました。つい先日まで手放せなかったヒートテックはその使命を果たし終え、薄手の装いに衣替えしてもなお、額に汗がじんわりと滲みます。
滑らかな歩調で変わりゆく季節。見上げた空は、晴れ模様。
一日の始まりが清々しいものだと感じられるくらいには快復しました。これでやっと、人間らしい営みに戻ることができそうです。
なかなかどうして、やめるときも、すこやかなるときも、参拝することを誓った明神のおかげかもしれません。
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参拝は、すごく気持ちがよいことなのです。
筋張ったあたまが、鳴りをひそめて、自然と一体化してくれます。するとどうでしょう。「 」へと至る径が諸手を広げて迎え入れてくれるのです。
頭のモヤが、ひとつ、またひとつと霧消し、しなやかな体の動きを実現してくれます。
日常的にはびこる技術からの逃走。自然との調和。
きょうもきょうとて、ぶなんに生きていけそうな予感を孕んで——